
とろん
@toron0503
2026年2月10日
禁忌の子
山口未桜
読み終わった
本書より先に鮎川哲也賞受賞後のインタビューを先に読んでいたので納得感があったが、それでもやはり作品全体から有栖川有栖作品(特に火村&アリスシリーズ)過ぎる印象を受けた。
とはいえ、その「雰囲気」は火村&アリスシリーズの初期の頃のもので、近年の同シリーズから得られなかったエネルギーがあって、その作品をめちゃめちゃ好きだった頃の自分を思い出させてくれた。
作者とわたしはほぼ同世代で、関西出身。しかも『活字倶楽部』という雑誌で有栖川作品にはまったらしく、はまり方もわたしも全く一緒だった。あの頃の活字倶楽部の特集のあれこれについて勝手に語り合いたくなった。
また「名探偵は『さて』…という言葉で謎解きをはじめるらしいよ」という城崎のセリフ、これははやみねかおるの『夢水清志郎シリーズ』からだろうか。はやみね作品がこういう引用のされ方をするのははじめてのような気もして嬉しい。もちろん、夢水の方も古典ミステリのセリフのパロディな可能性はあるけれど…そういえば城崎のハラペコ属性や「幸せになるように事件を解決する」探偵なのは夢水清志郎っぽさもある。
真相の後味の悪さはそれなりにあるものの、綺麗事でまとめずに最後まで描き切ったラストはとても良かった。

