
ジクロロ
@jirowcrew
2026年2月12日
本居宣長
先崎彰容
読んでる
源氏物語は何からできているか。それは紫式部の柔らかな感受性が傷つけられたことでできた文学ではないか。母と夫をうしない、公的価値の体系から外れたのちに、物語によって朝廷から召されたことは、式部をいささかも安堵させなかった。事態は逆であって、世間的出世はしずかな式部の生活をかき乱し、一層の苦痛をあたえたのである。
(p.291)
傷から生まれた光(源氏)。
傷は治ろうとする、しかし以前と同じ恒常性は得られない。
「卿、朕と源を同じくす。事に因って姓を分ち、今、源氏となすべし」
(『魏書』)
傷から生まれ出たものは、傷を癒そうとする。著者から生まれた人物は、元には戻らない傷を忘れさせるために、自然のままに振る舞う。
光の源は、傷であるということ。


