北前 "こわれた腕環" 2026年2月13日

北前
北前
@Gego1224
2026年2月13日
こわれた腕環
こわれた腕環
アーシュラ・K.ル=グウィン,
清水真砂子
ゲド戦記2を見た。これはかなり面白かった。特にこの本を通して緻密に書かれたテナーの言動が非常に良いと思った。生まれた日が先代のアルノの亡くなった次の日だったが故に5歳から大巫女として名も無き者に仕えることとなったテナーは、自身が最高権力者として育てられた故に高慢不遜な少女として育つというのが表現として見事だったし、自身の役目を理解しながらも外の世界を無意識的に焦がれてしまうような心情、そしてその気持ちがイライラへと昇華される様は、このクソガキが、と此方は思わせられながらも巧みな表現で感心させられた。そして自分の信じていたものが全て偽りだった、と気付いた時に光に咄嗟に追い縋ってしまう様、しかし実際自由になった後に自分には何も残っていなかった、あそこにずっといれば良かったと不安がる様は、彼女が臨んでいないとは思うが、ハイタカが彼女に向けたような憐憫の情を向けざるを得ない。彼女は雛のようなもので、彼が今まで自分を導いてくれたのに、私を捨てるんだという焦燥さえも描いていて素晴らしい。1ではいまひとつ面白さが伝わらなかったが、2は非常に良かった。
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