歌子Bookland "カメオ" 1900年1月1日

カメオ
カメオ
松永K三蔵
縁があり、繋がった1匹の犬。 共に暮らす内、情が湧き生きていくかと思えたが、そう単純な構成にしないところが面白かった。 これを動物を不法処分する身勝手さを問うべきか、自由にしてやったととるのが判断として正しいのか見極めが難しい。 カメオという一風変わった容姿の犬の描写や、主人公の気持ちの過程が丁寧に描かれているせいか、本来怒るところを、ピリッと怒ることができない。 とても困る感情の持て余しっぷりだ。 犬のもと飼い主である亀夫という、社会の厄介な存在である中年があまりに酷すぎて、主人公も迷惑をかけられているのを理解しているせいか、多少の肩入れがあるせいかもしれない。 この塩梅の絶妙さよ! とにかく一気読みしてしまう、疾走感があった。 私もカメオと走った気分だ。
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