"ドリアン・グレイの肖像" 2026年2月12日

柳
@horatio_witness
2026年2月12日
ドリアン・グレイの肖像
透明な青年に、黒が一滴混ざったようなもの。たとえ一滴だとしても、黒はとても強いから。 そう思った時期が、私にもあった。 ……それがどうだ。 主人公の最期、読み終わりには思わず拍手喝采。 “それはすばらしい経験だった。ただ、それだけのことです” ドリアンは、自分で考えることを放棄した。 人の言葉は結局人のものであって、それを自分の考えの代弁だと錯覚してはいけない。 よくないと分かっていても、ヘンリー卿の麻薬のような甘言に呑み込まれていく。 結局ドリアンは、変わるとか言いつつ何も変わっていなかった。むしろ、変わるべきところや己の過ちさえ正しく認識できなくなってしまった。傲慢で残忍な存在になってしまった。 彼を操っていたつもりのヘンリー卿ですら、もはやその範疇を超えた存在に成り果てた。 装飾的な表現が散りばめられていて、急いで読むと目が滑る。 ゆったりと読むのが良い作品だ。
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