本の王子さま "紙の梟 ハーシュソサエティ" 2026年2月14日

紙の梟 ハーシュソサエティ
昨年買った「慟哭」と同じ作者さんで、人一人殺したら死刑だという世界観が気になり借りてきた まさかのオムニバス形式?でびっくりしたけどそれぞれ違った面白さがあって良かった 特に「レミングの群れ」は最後の数行ででっかい声出てしまった 流石に予想外すぎる 題名のレミングって知らなくて調べたら集団自殺するって言われてた動物らしくてあぁ…ってなりました 最近のSNSでのいじめ問題と余りに重なりすぎてて、もし今の日本がこの本と同じ世界観なら、まさしくこの本の現象が起きただろうと思った 人が作ったルールは、人の素朴な感情には勝てないよ でも、人の感情の暴走の果てに起こる罪が次の話の「猫は忘れない」でうまくできてるなと思った この本、オムニバス形式だけど流れが綺麗すぎる 本のタイトルでもある「紙の梟」で終わるのも良かった 笠間さんの何が良いって、インスタントに見切りをつけたり、判断したりしなかったこと レミングの群れに出てきた第3者達も猫は忘れないの主人公も、犯人の事情や被害者との間にあるやり取りの真実さえ考えようとしないで、他の人間の情報を鵜呑みにしてそこで思考停止のまま殺人を犯してた 笠間さんは紗弥の真実を知るために自分の足で歩き、自分で見聞きして、そして犯人に対しての心証を決めた それこそが他者が犯した罪にきちんと向き合うことだと私は感じた SNSやメディアだけで知った情報で断罪を叫ぶのは無理あるし、擁護もまたしかり ただひとつ言えるのは、警察検察司法、しっかりしてくれそれだけでもこの世界観は回避できる筈 そんなことを思った本でした
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