
カミーノアン
@kaminoan3699
2026年2月14日
「美味しい」とは何か
源河亨
買った
読み終わった
読書メモ
本書は「美学」という学問を「食べること」から考察する。人が評価を下す仕組みや、そこで働く「センス」とは何かを問い直していく。
印象的なのは、味は舌だけで感じるものではないという点だ。私たちが普段感じている味は五感すべての働きの結果であり、視覚や嗅覚が伴わなければ“いつもの味”にはならない。
また、「甘い」は記述であり、「おいしい」は評価だという整理も腑に落ちる。基準がどこから来るのかを主観と客観の両面から考える。たとえばある地方の名物をおいしいと感じるかは主観的でも、その地域の中での優劣は一定の基準で論じられる。そこに文化相対的な客観性があるという視点は興味深い。
さらに、味の評価は知識や情報の影響を受けるという指摘も重要だ。純粋な「無垢な舌」は存在しない。言葉や背景理解が、私たちの判断を無意識下で下支えしている。
「優しい味」という表現が示すように、味の言語は感情や記憶とも結びつく。読み終えて、「味覚は人それぞれ」と簡単には言えないことを改めて考えさせられた。









