森々 "白魔の檻" 2026年2月15日

森々
森々
@mori_hkz
2026年2月15日
白魔の檻
白魔の檻
山口未桜
すごく好きで終盤は泣いた。 中盤から終盤にかけて好きなシーンがあるくらい大好き。前作を読んでいなくても楽しめるのでおすすめしたい。 華麗なるタイトル回収、クローズドサークルミステリに重厚なヒューマンドラマ、僻地医療の限界・やりがい搾取と長時間労働・医者としての矜持など現実の問題がうまく絡めあっていてとても面白かった。 好きなところ ※重大なネタバレがあるので注意↓ ・ ・ ・ 「やっぱり、俺たちの命かけてまで全員助けないと、ダメなんですか?こんなこと言うのはなんですけど、もう充分生きてるじゃないですか、あの人たち。陽介はあんなに早く死んだのに。年寄りを助けるために」「穴開けて管を通されて、何もわからなくなってまで、これなら生きたいなんて思わない。家族だって、ほとんど見舞いにも来ないじゃないですか」 「な。全員助けよう。俺たちに選ぶ権利はないんだ。今、寝たきりに見える患者だって、家族は、来なくなる前は、来てたんだよ。胃瘻なるのだって、大概、始まりは善意なんだ。あの元木さんだって、職場で倒れる前は麓の生協で働いてたんだぞ?大切な人が生きて欲しいから、家族に頼まれて助けてるんだよ。こっちは。それに、仁科お前、無事助かったら、見捨てたことを一生後悔するぞ」 ・ ・ ・ 「自分が倒れそうでも、寝てなくても、食ってなくても、こんな病院潰れちまえ、って思ってても、目の前に患者が来たら、勝手に体が動く、見捨てられないのが医療従事者ってやつなんだ。染み付いた習慣で、本能だ。それ以上でも、以下でもない。それに」「俺はもう、医者としては死んでるんだ。あの時。もう続けられない」「あの時、俺は、俺だけは助けられた。防毒マスクを持ってたんだから。なのに、俺は、保身のために見殺しにした。……あそこからは、ずっとロスタイムだ」 患者が下の階に傾れ込むところは本当に嫌な予感をしつつ読み進めたら案の定でかなり辛くて、そのあと犯人がわかった時にこのセリフが来て辛いの二乗。
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