
ハルコ
@inu865
2026年2月16日

プラハの古本屋 (中公文庫)
千野栄一
買った
読み終わった
言語学者の著者による、古本に関するあれこれや旅についてのエッセイ。
社会主義国における古本のありかた、手に入れるための工夫がおもしろおかしく書かれています。稀少な本を適正価格で売買するために、何度も何度も古本屋に通って顔馴染みになったり、好きそうなものがありますよ、と奥の書庫から出してもらったり、お店の様子を想像しながら楽しく読みました。
旅のエピソードも、ヨーロッパを東から西へ電車で横断し、陸路で国境を越えるときのちょっとしたアクシデントや旅人同志のやりとりも、心温まる文章で綴られています。
なにより著者が、本が好きで、ことばが好きで、人が好き、ということがひしひしと伝わってくる。
繰り返し読みたい良書。
ところで、前半の一編「スライムの終焉」では、あのねばねばおもちゃについて「早くも消えていく運命にある」と書かれている。
1979年のことだから、まさかこの4年後にまったくべつの形でこの言葉が市民権を得るなんて、想像できなかったんだろうなぁと、つい笑ってしまった。


