
yomitaos
@chsy7188
2026年2月16日
家族
葉真中顕
読み終わった
@ 自宅
尼崎連続変死事件は、日本という「家族愛」を過剰に神聖視する国だからこそ起こった事件だと考えている。私は抽象的な愛という概念を盾に人を動かそうとする連中が嫌いなので、「自分だけは絶対に騙されない」と信じたい思いが強い。
しかしこの本を読み通して思ったのは、この渦中にあっては何もできず、ガラス玉の眼で易々諾々と首謀者の命令に従っていくことになるんだろうなという諦念だった。
事後だから言えることだが、家族の問題を警察に相談しても意味がない。彼らは民事不介入を盾に動こうとしない。警察は正義のためにあるのではなく、警察組織というある種の家族の論理を全うするためにある。家族を守るためにルールを逸脱することは滅多にない。
作中にも出てくる言葉で印象的なのが、とある女が述べた以下のセリフ。誰かを操るには、考えさせてはいけない。人形にしてしまわないといけない。そんな含蓄のこもった言葉だと思う。
「考えては駄目よ。迷っても駄目。自分で決断しても駄目。人は、自分で考えてなにかを決めるとき孤独になってしまうの。あなたが寂しくなかったのは、考えなかったからよ。なにも自分で決めなかったから。だから、いい人生だったの」
