
なつまる
@jinbe1708
2026年2月16日
マチネの終わりに
平野啓一郎
読み終わった
二人の出会いの夜に語り合った「未来は常に過去を変えてる」。これこそが、この作品の柱になっているように思う。
この時に蒔野と洋子はお互いに、自分の心臓を半分ずつ交換して預けてしまったのかもしれない。自分が生き続ける限り、この心臓が止まる最後まで、彼らは自分の中で彼(彼女)と共にあるのだと。
分別のある、成熟した大人同士だからこそ、相手を思う気持ちといくらかの諦観が引き際をわきまえさせてしまい、切ない。
心から共鳴し、呼応し合える喜びに溢れた二人が会話をもっともっと読みたかったが故に、早苗が犯した罪は許せない。最後まで早苗への嫌悪感が消えないくらい、どっぷりとこの世界に浸ることのできる素敵な作品だった。



