
ジクロロ
@jirowcrew
2026年2月17日

メキシコ
三角みづ紀
ちょっと開いた
ドアが
閉まらない
バスに乗って
赤く染まった市場へ行く
……
もうしんだはずのものが
まだいきているものより
ひかりをうけとめていた
(「火曜日の市場」)
市場には「しんだはずのもの」が集まり、
「いきているもの」よりも主役である。
すべての陳列物が聖なる遺物。
ドアが閉まらないバス、
というのが生者も死者も平等に受け入れる
入口も出口もつねに無造作に
その口を開けて運ぶ様、
そうして「赤く染まった市場」、火の曜日。
あますことなく、詩人の身体に染み込んできた
メキシコ感、ひしひしと伝わってくる。
