🌜🫖 "抵抗する動物たち" 2026年2月17日

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@gn8tea
2026年2月17日
抵抗する動物たち
抵抗する動物たち
サラット・コリング,
井上太一
「飼い馴らしは人類の進歩を可能にした、という支配的な言説とは裏腹に、動物たちの捕獲・拘束・繁殖は平和な社会の創出に資さなかった。むしろ飼い馴らしが生んだのは強権的なエリート主義社会であり、それは歴史上、数々の大規模な戦争や暴力を助長してきた。飼い馴らした動物たちを搾取・拘束・群飼・殺害する営為が原因で、早い時期に部族間の対立や紛争が生じ、後に階級分化、広汎な暴力、そして十六世紀に始まるグローバル資本主義と植民地主義の台頭が起こった。ヨーロッパの植民地化を支えたのは、軍備増強のための強制的な動物労働、糧食生産のための動物屠殺、ならびに土地収奪の口実となる動物放牧の土地需要だった。」 p91 封建社会から資本主義体制へと移行する際の本源的蓄積について語られるとき、人間以外の動物に対する暴力や搾取には触れられないことが多いと気がついた。動物の「強制労働は資本主義の誕生と不可分かつそれを可能にしたもの」p106であること、戦争でも利用されたこと……。 人間以外の動物が置かれている状況、かれらの抵抗、すべてがマイノリティが経験してきた差別、暴力と重なる。種が違うというだけで、これが許されていることがいまだに信じられない。 脱人間中心主義な世界が、わたしが生きている間に実現することはないと思う。地球上のあらゆる場所に境界線が引かれ、柵や壁が設けられ、土はアスファルトやコンクリートで固められ、森は端に追いやられ……そんな人間が隅々まで支配する世界ではなく、地球に生きるいち生物として、他の動植物と関わりあい共生する世界を経験したかった。わたしは他の動植物と対等な立場でコミュニケーションをとる方法を知らない。無条件に生命を養ってきたはずの地球で、土地にも水にも食料にも自由にアクセスできない。生態系はひとつの命のように種を超えて助け合い共生してきたのに、わたしはその営みから切り離されている。悲しい。これは進歩でも豊かさでもない。
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