蟹
@rom_3344
2026年2月18日
火星に住むつもりかい?
伊坂幸太郎
読み終わった
「普通の人」と「危険人物」の間に引く線は都合良く作られた物語でしかない。伊坂作品は繰り返し繰り返し恣意的に現実を改変する人間の姿を描きながら、この世界に絶対なんて無いんだよ。その世界で自分なりに意味があると思う何かを見つけて、その唯一のために楽しく陽気に生きていくのはどう?みたいなことを言っている気がする。
「全てが仮初の世界で本当のことなど何も無い、だからこそ、その仮象を積極的に創造していこう」という思想が積極的ニヒリズムと呼ばれることを解説で初めて知り、ペッパーズゴーストを想起するなど。全てが無意味な世界で、もう一度!と思える人生を。
人間の攻撃性の話はさよならジャバウォックだし、法の絶対性を疑うという意味ではマリアビートルを思い出した。
「正義の味方」が大事な人の死によって破れかぶれになり、偶々手に入った武器で暴れたくなっただけの中年男性なのが良かった〜「僕はたぶん、あなたたちと同じですよ!普通の人間です。」
「どうすることもできないよ。振り子の揺れを真ん中で止めることはできないから。大事なのは行ったり来たりのバランスだよ。偏ってきたら、別方向に戻さなくてはいけない。正しさなんてものは、どこにもない。スピードが出過ぎたらブレーキをかける、少し緩めてやる。その程度だ」
真壁さんは虫が好きだから、虫の世界ではこう、というルールを信じて世界を測って調整を加えただけで、彼自身は正義も悪も嘲笑しながら陽気に生きていそうなのが好き。
