mikechatoran "死者たち" 2026年2月19日

死者たち
死者たち
クリスティアン・クラハト,
高田梓,
髙田梓
捉えどころのない読み心地だった。1930年前後の日本とドイツを舞台にした、日独合作映画のプロジェクトの話なのだが、そう単純に話は進まない。ネーゲリは父の死に捉えられている。他の登場人物たちもどこか生気がなく亡霊のようだ。途中思い出したのがドラマ「バビロン・ベルリン」で描かれていた世界恐慌とハイパーインフレが重なったドイツの退廃的で享楽的な雰囲気。その一方でナチスの躍進が進む。日本ではチャップリンの来日に人々が熱狂する影で政治テロが起きる。さらに言えばきらびやかなアメリカと日本・ドイツの対比。本書にも登場するクラカウアー『カリガリ博士からヒトラーへ』を再読したくなった。/ 余談だが、甘粕が美少年という記述に「ん?」となったが、きっと著者は映画「ラストエンペラー」の坂本龍一を見たのね。もうひとつ表紙のJames Hoffの”The Audience"がとてもいい
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