しま "人魚の眠る家" 2026年2月19日

しま
しま
@murmur
2026年2月19日
人魚の眠る家
人魚の眠る家
東野圭吾
面白くて一気に読み進めた。 東野圭吾の作品は違和感なく読み進められて情景が綺麗に浮かぶので、文章の組み方が美しいのだと感じる。 第五章『この胸に刃を立てれば』での薫子が出刃包丁を構えた所からの緊迫感に圧倒された。見ているこちらまで動悸がするような、切羽詰まった空気。 以前どこかで「記憶は各臓器に宿る」ような話を耳にしたことがあった。臓器移植を受けた人に、知らない記憶があったり、性格への影響が出たりするのだと。 実際、体内の電気信号で私たちは動いていて、記憶なんて曖昧なものが本当に脳の中にだけあるかなんてハッキリとはしないのだろうとも思う。だから、意思表示のない瑞穂の中で、記憶が作られていないなどとは言い切れない。 「今、我が家に……うちの家にいる娘は、患者でしょうか。それとも死体なのでしょうか。」 和昌が進藤先生に問いかけたこの言葉に、答えを出せる人なんているんだろうか。 大切な人が目覚めなくなって、脳の機能が壊れてしまったと聞いたら、わたしはそれを受け入れられるのだろうか。 プロローグとエピローグの繋げ方は、この話の唯一の救いだと感じた。
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