久保みのり|書店よむにわ "POSSE リニューアル号(..." 2026年2月19日

POSSE リニューアル号(vol.61) 特集:選挙以外で社会を変える/ネット以外で社会を変える
POSSE リニューアル号(vol.61) 特集:選挙以外で社会を変える/ネット以外で社会を変える
キア・ミルバーン,
ナンシー・フレイザー,
POSSE編集部,
今野晴貴,
佐々木隆治,
坂倉昇平,
岩本菜々,
川上資人,
常見陽平,
斎藤幸平,
難波優輝
突如公示された衆院選2026。選挙後はミラノ五輪。放心状態でしたが「自分にできること」を探りたくて読みました。    ネットで少し調べて、投票に行って、SNSに「投票行った」と投稿して、投票した人は選ばれなくて。……政治家の嘘に怒って。そのサイクルを繰り返しているだけで、自分は何もできていなくて。    そんな私に特集名が刺さったんです。読んでみたら“SNS見て絶望してる暇なんかないで”と言われたみたいで気持ちよかったです。左派とSNSは相性悪い、と。      じゃあ、どうすればいいのか。    POSSEを読んでいて思ったのは、政治や社会をある日突然動かすことはできなくても、SNSの外で人とつながりながら活動することが増えたなら、少しずつ変わっていけるのではないか、ということでした。    「見逃してはならないのは、彼の背後にある、約10万人規模のボランティアを基盤とする大衆運動の存在です。アメリカ民主社会主義者の若者たちを中心に、地道に各家のドアをノックし、街中を歩き、選挙運動を支えた。これはたんなる選挙キャンペーンではなく、まさに運動そのものです。」(p.020 社会学者ナンシー・フレイザーさんのインタビュー)    混乱のさなかにあるアメリカで社会主義的政策を掲げたニューヨーク市長 ゾーラン・マムダニが誕生した背景には地道な大衆運動がある、と書かれていました。双方向のコミュニケーションをとっていく運動なら、主婦の私でもできるんじゃないかと思えます。    あと、お金以外の価値基準で生活ができたら、もう少し冷静になれるのかも?    たとえば、子どもとの過ごし方。お金を使えば使うほど良いものが手に入るとか良い体験ができるとか、そんな価値観ができあがらないように工夫する。(もちろん、親がこれだけお金を払ってくれた、ということが子どもの自尊心を満たすこともあると思うので、否定したいわけじゃないです。)    というか、子どもがそう教えてくれることが多いんですよ。ドキドキするような値段のチケットを買ってテーマパークに行くよりも、近くの公園でママとパパと鬼ごっこしたほうが喜んでくれることがあって。お金で手に入らない“楽しさ”があるって、一緒に知っていきたい。    ほかにも、人と協働して問題を解決できるとか、困ったときに助けを求められるとか。お金を介さずに解決していけるほうが、長い目で見ると強いのではないかと思うのです。    「現状は、労働時間をむしろ増やしたいという人が多くなっている気がします。長時間労働は規制されるようになったけど、インフレになって物価も厳しい。だから、長く働いてもいいから、もっとマシな暮らしをしたいという考え方です。」(p.107「働いて働いて働く」発言の問題点を語る斎藤幸平さん)    積極財政で円安や国の借金がどうなっていくかも気になります。働けばええやんという考え方だともっともっと働かないといけなくなるかも。だから「受け身でいること」から、なるべく遠ざからなきゃ。“行きたい未来につながっているか”想像しながら選択していくだけでも何か変わるかもしれないですし。    ポピュリズムに傾倒している人たちのことを、私は笑えません。不安と孤独がたまっていく仕組みの中で「わかりやすい救い」にすがりたくなるのは当たり前だからです。でも、このままで大丈夫と思えない方も多いのではないでしょうか。    政治家や官僚に丸投げして、あとは文句を言う——そんな今までの私には何も変えられない。だから、小さく行動していかなければ。    そのうえで、支援したい政治家が現れたら支援すればいい。自分で何かできると感じたら、政治に挑戦してもいい。「政治か、日常(個人的出来事)か」ではなく、その往復が必要なのではと。    ここで、私の話に戻ります。    本屋を続けていきたいと思っていました。でも、仕入れて売る——それだけじゃダメかもと思い始めました。    だから今、考えています。どんなことができるのか。私は本さえあれば幸せを感じられるタイプなので、お金に頼らず豊かな生活を送れるヒントがそこにあるのではないか、とか。    SNSより書店よむにわがおもしろい——そう思ってもらえるように、政治の動きを気にかけながら自分にできることを探していきたいです。    POSSEは、労働問題や貧困、若者の生きづらさに焦点を当て社会構造を深く分析している雑誌だと感じました。気休めの希望にウンザリしている方は、ぜひ読んでみてください。    また、この本を読んで気になる本が出てきました。    ヤマザキOKコンピュータさんの『お金信仰さようなら』(穴書刊)。こちら、書店よむにわにも入荷予定です! 明日か来週以降ショップに掲載できるかな。POSSEとのまとめ買いもおすすめです。
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