沙南
@tera_37
2026年2月23日
雪国
川端康成
読み終わった
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。」
有名な冒頭のみ知っていただけ。なんとなく本屋さんで手に取り、読んでみた。情景描写大好き人間である私はもう、ものの数分で川端康成に夢中。
もっと早くに出会いたかった気もするけれど、若すぎると良いと思えなかったかもしれない。人も本も、そのときその瞬間に会うべくして会うのだ。
幻想的かつ叙情的な描写が連なる合間にぽつんとこぼれる、素朴な言葉選びにいちいち魅了される。たとえば、女の美しさを「清潔」と表現してみたり。初雪で山が生き返ると感じ入ってみたり。
不謹慎かもだけど、川端さん。本当に今生きていてくれなくてよかった。
これほどまでに繊細で美しい言葉を紡ぐ、孤独の滲んだ人が同じ世界のどこかで生きているなんてことになったら、私は気が違えるほど盲目的になってしまっていただろう。危なかった。情けない。
誰と誰が、どのような関係性であったかは明言されていない。受け取り方はきっと人それぞれだろうから、読み終わった人といつか語り合ってみたいな。
【気に入った描写】
「月はまるで青い氷のなかの刃のように澄み出ていた」
ため息が出る。「月が綺麗ですね」と言われるよりも、こんなふうに言われたら私は一緒に死んでもいいとすら思う。