
人工芝
@_k55y
2026年2月20日
息
小池水音
読み終わった
喘息の息苦しさ。
そして、残された者が生きていくという苦しさ。
喘息を抱える私にとって、この物語は決して他人事ではなかった。
読み進めながら、発作が誘発されてしまうのではないかと不安になるほど、胸の奥が締めつけられる。実際に息苦しさを覚えながらの読了だった。
幼い頃、同じく喘息に苦しみ、そのつらさを分かち合ってきた弟がいる。
けれど彼は、自ら命を絶った。
その出来事を境に、家族は一度、深い闇へと落ちていく。
物語は、劇的な展開を見せるわけではない。
ただ、時の流れに身を委ねるように静かに進んでいく。
それでも、喘息の苦しみ、命の脆さ、
そして身内の死に向き合う悲しみが、痛いほど鮮明に描かれている。
だからこそ
闇の中でわずかな光を見つけた瞬間、
それは確かに「生きる希望」へと変わるのだと感じさせてくれる。
重く、苦しい物語でありながら、
それでもなお、生きることを選び取る強さをそっと示してくれる一冊だった。

