
yayano
@yaya7
2025年3月13日

世界99 下
村田沙耶香
まだ読んでる
村田沙耶香作品のことを希望のあるディストピアだと認識していたけど、この作品は別かもしれない。
媚びることと「呼応」と「トレース」を繰り返すことが殺されない術であると学んでいる空子がむなしく、同時に自分だと感じる。
第一章では女性や子どもに与えられる地獄を書き、第二章は人種差別や階級社会の地獄を書き、第三章は「リセット」後の世界で生きることを書く。全部地獄でしかないのに、「正義」の警鐘は鳴りやまない。
性欲処理だけでなく家事や妊娠出産育児の機能が備わっても、ピョコルンは結局人間の代わりにはなれなかった。人間が変わるしか、あらゆる差別がなくなる方法はないのに、今日も人間は増える。
希望のないディストピアを覗いてしまったので、半日経ってもまだ混乱している。

