
バーニング
@burningsan
2026年2月19日
違国日記 4
ヤマシタトモコ
読み終わった
子どもが出来ると人間関係が広がる(子どもの人間関係に親も混ざって行くから)とは昔からよく言われるが、親ではないが保護者(正確には未成年後見人)である槙生にとってもそれは例外じゃなくて、否応なく朝の持つ人間関係に参入していくようになる。これまでは朝の友達が家に来るというレベルだったが、ついに大人(えみりの母親)との関係も生まれる、というのが一つのポイント。
「子どもは親が責任を持って育てるもの」というのは集団全体が家族のような暮らしを続けている民族を除けば、日本に限らず世界中で普遍性を持つ価値観であり規範であるだろう。槙生の姉はまさに規範通りに、「普通の生き方」をすることにこだわりを持ち、そうした生き方ができない槙生に対して明らかな嫌悪感を表明していたというエピソードも出てくる。他方で、実際の姉の結婚生活は法律婚ではなかったという事実も紹介される。このギャップがなぜ生まれたのかは、この巻ではまだ明らかにならない。
朝が高校に入って少しずつ自由と選択を覚えていくように、物理的にも人間関係的にも引きこもっていた槙生も少しずつ自分の殻を破って行く段階なのかもしれない。たまたまそれが35歳だっただけで、「普通ではない」かもしれないが他人の作った「普通」という規範は槙生にとっては知ったこっちゃないだろう。これから殻をどう破るのか。その時の笠町くんはこのポジションをキープするのか、それとも。
しかし笠町くんを見ていると少し昔の(昔というほど過去じゃないが)自分を思い出してしまう。こういうコミュニケーションをしていたな、とかこういうポジショニングだったな、とか。自分の場合は一度もセックスはしなかったし、しなくてそれでよかったと今でも素直に思っているけれど、「かつてセックスのあった」関係の二人が今後どうなることやら、ですね。
