DN/HP "スコッチに涙を託して (角川..." 2026年2月21日

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2026年2月21日
スコッチに涙を託して (角川文庫 レ 6-1)
アイリッシュの探偵と黒人トップ・コラムニストの人種差別に関する議論は「意地悪で不幸で支離滅裂で怒れる人間があふれていて、そのうちの誰ひとりとして、状況と真っ正直に向きあうだけの知力を持ちあわせちゃいない」世界のままならなさに至り、そこで残された方法は「スコッチに涙を託して朝まで飲む」ことに、あきらめに皮肉を混ぜながら着地する。 というのは邦題の元になったセリフが出てくる印象的なシーンだけれど、それでも、その酒を飲んだあとに探偵は、そのままならない世界のなかで自らの信念と「正義」のために闘うべくまた立ち上がり、なんとかしようともがくのだ。つまりその酒は、憂さ晴らしや怒りや悲しみを忘れるためだけではなく、原題にあるように「A DRINK BEFORE THE WAR」ということなのだ。多分。 わたしは酒を飲まないので、眠れなくなりそうな覚悟もしつつ、明日のままならなさの前にお気に入りのコーヒーを飲んでいる。
スコッチに涙を託して (角川文庫 レ 6-1)
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