
ユト
@take1yu-to
2026年2月21日
すべての、白いものたちの
ハン・ガン,
斎藤真理子
読み終わった
痛々しいほどに、清潔で美しい文章。
ハン・ガンやそれに連なる作家群の小説を読むたびに、いつかドキュメンタリーで観た無菌室の光景が頭を過ぎる。
その清潔さが鼻につくこともあるが、やっぱりこの美しさに憧れる瞬間がある。薄幸の美しい人間に嫉妬するときの自身の醜悪さ――。
……Twitterで刺さる文章術として「形容詞を動詞に変える」と紹介されていた。書いてたアカウントはうさん臭かったけど、言っていることは納得できるものだったから、意識してみようと思う。
眠る前の時間にできるだけ毎日本を読むようにと思っているが、いろいろ考えて、眠れなくなってしまうことがある。日付も変わってYouTubeの時間制限が解除されていたから、サジェストを何とはなしに眺めていたら、元アイドルが出産レポを公開していた。彼女は生まれたばかりの赤ん坊がひどくむくんで、脂にまみれ、鼠色の肌だったことに驚いたと、笑顔と共に振り返っていた。
タルトックみたいに真っ白で美しく、生まれて二時間で死んだ赤ん坊。鼠色で、ぶよぶよにむくんだ体で産み落とされて、すくすくと愛され育てられている赤ん坊。そんなにも肌の色が違うのか、私にはなじみのない存在だから想像することしかできないが、漠然と、傷口みたいな目蓋から覗く、黒々とした余白のない瞳は思い浮かぶ。それは少し、恐ろしいものであると同時に、自分の股座から出ていったそれを愛さずにはいられない気持ちがわかるような気もした。
子どもが欲しいのかもしれない。そういえば、出産レポなんてよく最後まで見れたなと気づいた。月経が来るより前から、妊娠も出産も恐ろしくて、保健体育で出産の記録映像を見せられたときは熱を出して嘔吐した。
大人になったということだろうか? こうやって知らず知らずに変わっていって、今は他人と一緒に生きていくことも想像できないが、すっかり性的魅力がなくなった頃に、やっぱりパートナーが欲しいなんて思うようになったりするのだろうか? 今は少しずつ現実的になっているその予感が恐ろしい。
