07 "香君 下 遥かな道" 2026年2月21日

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@cocoa007
2026年2月21日
香君 下 遥かな道
植物がある種の化学物質を出して他の植物や虫とコミニュケーションをとっているという話は、なにかの本で読んで知っていたが、上橋さんが仕立てるとこんな物語になるのか。綿密かつ壮大な大型ファンタジーだった。 アイシャは戦わないナウシカ、といった風情だ。人間以外の生物の声が聞こえるところとか、その聖性、カリスマ性とか。でもナウシカは王蟲と心を通わせられるけど、アイシャは一方的に植物の香りを聞くだけだから、より孤独である。 アイシャは自分を神格化したくないと思っているけど、それはやっぱり難しいんじゃないかなあ。生い立ちすべてが神話的過ぎる。あまりにも博愛精神に満ちていて、一切個人の幸せを追求しないし。主人公でありながら、ここまで周囲の人物と親密にならないキャラって珍しいんじゃないだろうか? 唯一、オリエとはシスターフッド的な絆で結ばれるが、彼女にはちゃんと別に心を預ける人がいる。最後のシーンは、なんとも言えない切なさがあった。 それしても、オアレ稲の恐ろしさよ。あれは自然の循環の中に入れてはいけないんじゃないか?あんな物が本当に自然に出現するものなのか? 神郷の謎はほとんど解明されていない。オアレ稲は人工的に生み出された植物なんじゃないか?神郷ってオーバーテクノロジーな世界なのでは?とか、色々妄想が捗ってしまう。
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