
あむ
@Petrichor
2026年2月22日
雷龍楼の殺人
新名智
読み終わった
冒頭の「読者への挑戦」。
一連の殺人事件の犯人を先に明かしているミステリーがあると知り、だとすれば受けようという気持ちでページをめくった。
結果、見事にしてやられた。
この物語すべてを通して私という読者が試されていたのだとしたら、
結果は「完敗」と言えるだろう。
以下ネタバレ含みます
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徐々に散りばめられていく小さな違和感。
これが作者による意図的なものであるとわかっていながらも、私は最後まで真相に気づけなかった。
わかった上で読み返してみれば、違和感のある行動ばかり。
霞は自分の置かれた状況を、触って、感じとって、そして決して、何も「見て」いなかった。
その核心たるポイントを「パンダ」で持っていく様はページ送りの構成を含めて秀逸。
物語を読んで感動したり後味が悪くなったり、そんな感情が渦巻くことが定番の中で、こんなにも素直でまっすぐな「悔しい」という感情を抱えたのははじめて。
新名智先生の完璧で穴のない挑戦状を、また受け取ってみたいものだ。