
たわわ
@tawawa1229
2025年3月13日

すべての、白いものたちの
ハン・ガン,
斎藤真理子
読み終わった
少しずつ大事に読んだ。清冽な文章に心が清められるような時間になった。「生と死の寂しさのこもごもをたたえた〝白〟」を象徴する姉の存在。雪、角砂糖、雲、イワシの群れ、おくるみといったモノクロの景色のなかに、姉が生まれてきた時にまとった血の鮮やかな色とにおいが強烈に印象付けられた。
物質としての愛おしさもある本だった。40ページくらいずつ異なる白い紙が使われていて「白」の豊かさと深さに物理的にも気づかせられる。
心の声の一部には異なるフォントが使われていて、それにもはっとさせられた。突然、ハン・ガン本人が現れて独白するような瞬間にぞくぞくした。

