ユメ "花屋さんが言うことには" 2025年3月12日

ユメ
ユメ
@yumeticmode
2025年3月12日
花屋さんが言うことには
ブラック企業をどうにか辞めた主人公の君名紀久子は、しつこく引き止める上司を振り切る手助けをしてくれた外島李多が店主を務める〈川原崎花店〉でアルバイトを始める。花屋の仕事で街の人々と関わるうち、紀久子は諦めかけていたグラフィックデザイナーという夢をもういちど追いかけ始めて——という希望と優しさに満ちた物語。お花を介した人と人との繋がりが温かく綴られている。 たくさんのお花が登場するので知らない品種は調べながら読み、そうすることで少しずつ〈川原崎花店〉の様子が脳内で絵になってゆくのにもワクワクした。画家の描いた向日葵をモチーフにした品種が作られているなんて、とても素敵だ。 章タイトルもすべてお花の名前になっており、章のラストにその話を体現する花言葉が明かされるという仕掛けになっている。花言葉には詳しくないので、「このお花にはこのストーリーに相応しいどんな意味があるのだろう」と、各章プレゼントを待つような心持ちで楽しみに読み進めた。
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