本屋lighthouse "失われた時を求めて(4)" 2026年2月24日

失われた時を求めて(4)
失われた時を求めて(4)
プルースト,
マルセル・プルースト,
吉川一義
「どんなに賢明な人でも」とエルスチールは私に言った、「青春のある時期に、想い出しても不愉快で抹消したくなるようなことばを口にしたり、そんな人生を送ったりしなかった者など、ひとりもありません。しかしそれはひたすら後悔すべきものでもないんです。まずはありとあらゆる滑稽な人、忌まわしい人になったあとでなくては、なんとか曲がりなりにも最終的に賢人になどなれるわけがありません。(p.477) 「私」がいろいろと失礼だったり愚かなことを言ったりやったり考えたりして後悔したりしなかったり、つまりいつもどおりうだうだとしているさなか、エルスチールの賢人ぶりが際立っている。その後も1ページほど続くエルスチールのありがたいお言葉のあと、すぐに「私」の心情が語られる。「私は、例の娘たちと知り合えず、がっかりしていた」(p.478)。アルベルチーヌのことしか考えていない「私」も、いつしか賢人になるということか。
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