失われた時を求めて(4)

失われた時を求めて(4)
失われた時を求めて(4)
プルースト
マルセル・プルースト
吉川一義
岩波書店
2012年6月1日
13件の記録
  • そもそもなにより愚かなことは、自分には縁のない感情をすぐに滑稽だとかけしからんとか言うことでしょう。私は夜が好きですが、あなたはそれが恐ろしいとおっしゃる。私はバラの香りが好きですが、バラの匂いをかぐと熱が出る友人もいます。だからといってその友人は自分より劣っていると思うでしょうか。私はなにごとであろうと理解しようと努め、なにひとつ断罪しないよう気をつけています。(p.276-277) なんてそこそこいいことを言っていたシャルリュスが数ページ後には理不尽かつトンチキな説教あるいは講釈を「私」に対してしかけてきていて、ジェットコースター。
  • 『キッチン・コンフィデンシャル』と同時に読み進めていると、具体的な描写はまったく違うのにそのエッセンスみたいなものは共振している感じがあり、妙なグルーヴを生み出している。かたや下品だがなぜかもっと摂取したくなる比喩が続く自伝、かたや上品な社交生活を描きつつも下劣な人間性をも暴き出す小説。
  • 『キッチン・コンフィデンシャル』の厨房ではずっと決闘のような景色が広がっているのだが、今宵のプルーストでも「翌日、青年が名刺を差し出したときに、私はこれは決闘を免れないと思った」(p.206)とあり、こちらもコロッセオだった。
  • フランソワーズを求めて帰宅し、寝る支度をしておふとんにいる。フランソワーズは出てこなくて、代わりに「私」が祖母に対してこんなことを言っている。 「ほら、ぼくってなんにでも慣れる人間でしょ。いちばん愛している人たちと別れると最初の数日は辛くて悲しいけれど、でも、ずっと変わりなく愛してはいても、だんだん慣れるし、生活だって落ち着いて穏やかになるんです。ぼくは堪えてゆけますよ、愛している人たちと別れても、何ヵ月でも、何年でも・・・・・・」(p.200) どう考えても嘘だった。嘘すぎて可愛かった。
  • 今日の「私」は通りすがりに気になった女の子に自分の印象を植えつけたい、植えつけるにはどうすればいいのか、と躍起になっている。その際にヴィルパリジ「侯爵夫人」の「二頭立て」の馬車という権威的な他者を利用していて、とてもとてもさもしい。
  • 本日の「私」 ・おばあちゃんとサラダに入ってるゆで卵食べてたらホテルの常連たちに変なやつと思われる ・常連たちのひとり、ステルマリア夫人に座ってた席から立ち退かされる ・常連たちと社交をしたい「私」、旅に出たら他人と会話などせず海でも見ていたい祖母
  • 本日の「私」 ・おばあちゃんだいしゅき ・ノック3つで「おはよう」のサイン ・おばあちゃんにはぜんぶバレてる
  • 本日の「私」 ・祖母と旅行に出る ・女中フランソワーズがなぜか行き先を間違えてどこか違うところに行ってしまう ・ホテルの部屋は怖くて寝れない
  • 本日の「私」の要約 ・ジルベルトのこと忘れたよ、と強がる ・旅行とかで枕変わると寝れないよね ・旅行にお母さん来てくれなくてつらい
  • 鶴
    @pizzalover
    2025年9月7日
    めっちゃ面白い!けど!読み終わらない!
  • ふらい
    ふらい
    @fry_g73
    2025年5月23日
  • 長すぎて全部を読み返す気にはなれないので、つまみ食い的に超のんびり再読。
  • かざみ
    かざみ
    @kazami_10
    2024年8月28日
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