
しゅう
@shuu62
2026年2月26日

共喰い
田中慎弥
読み始めた
最近YouTubeで存在を再確認した田中慎弥さん。
ちょうど良い機会だったので読んでみることにした。
純文学は最近読んでなかったので、スイッチを切り替えながら触れていく。
以降読書ログは会話部分に。


しゅう
@shuu62
(ネタバレ有)
読了。「共喰い」と「第三世紀層の魚」という短編2つで構成されていた。
芥川賞を受賞された「共喰い」の方は、性描写やメタファーが多く、「第三世紀層の魚」は介護問題をサブテーマに、釣り上げる魚に様々な寓意を持たせた内容で、読み応えがあった。
全体的に暗喩、メタファーが多く、字面の情報を追うだけではなかなか内容が掴みにくかった。
特に「共喰い」の方は川の情景、鰻、大雨、全てが性のメタファーに満ちており、今でも頭の中でどう理解していくか悩む内容だった。
反対に「第三世紀層の魚」の方は、話自体はシンプルで、その分描かれている寓意に頭のリソースを割くことが出来た。
巨大なチヌを釣り上げる事が何よりも大事だった少年は最後に立派なコチを釣り上げ、涙した。
その涙や胸中を、1つの感情では推し量れないであろう奥行きを感じ、内容とは対照的な爽やかさを感じた。
両短編に共通するのは閉塞的な状況、時間の停滞、それを打ち破る偶然なり必然なりの力だ。
そしてここで物語が終わるのか、という余韻、残響のようなものが、唯一無二の読書体験を与えてくれた。
田中慎弥の作品にもっと触れたいと感じる。