さくら🌸 "喫茶おじさん" 2026年2月26日

喫茶おじさん
喫茶おじさん
原田ひ香
純喫茶に行きたくなった。東京の地理は全くだから、どこがどの店なのかとかはさっぱりだったけど、京都の珈琲店に関しては「あ、あそこだな」となり嬉しくなった。バツイチ無職、57歳の松尾純一郎が、前半はあらゆる人物に「何もわかってない」と言われ、後半で「何がわかっていなかったのか」がだんだんわかってくる構成で面白い。読み進めていくうちに、読者としても「この人なんにもわかってないじゃん」となってくる。松尾純一郎という男は、現在の妻と別居中で、会社も早期退職しており(しかも特に仕事ができたということでもないらしい)、毎話やるせなさを実感しているが、純喫茶が彼の憩いの場となっている。しかもコーヒーや料理、店全体への観察眼が意外と鋭い。もっと早くにこの観察力を活かしていれば、店をポシャらせずに済んだのではないか。本当に何もわかっていない。 ナポリタンが食べたくなった。
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved