
草大福
@yadokari15
2025年3月13日

恋とか愛とかやさしさなら
一穂ミチ
読み終わった
凄い本だと思った。登場人物の女性の誰もに、共感できる部分がある。しんどいけど、読めてよかった、と思う。でも啓久のような犯罪者はどれほどいるのだろうか。彼はたまたま初犯で捕まって懲りてやめた。だけど大抵のやつは何回も繰り返して味を占めて続けているのだろう。そして反省もしてないんじゃないのか。
感想を書こうとすると、つい感情的になってしまう。それは私が女だからだろうか。
でもこの本の本質はそこじゃなくて、タイトルに込められているのだろう。本文中にタイトルが出てきてハッとした。普段恋愛小説は読まないので、「恋とか愛とか優しさとか」というタイトルを見て反射的に「まにあってます!!」と叫びそうになったが、そうじゃなかった。恋とか愛とか優しさならの対比は「信じるということ」だった。信じるの難しさを、全編通して描いているのだろう。恋人を、伴侶を、子どもを、そして自分を。
重くて苦しいテーマの中、莉子ちゃんの明るさに救われた。(でも彼女の明るさも、過酷な境遇の裏返しなんだろうけど)莉子ちゃん幸せになって……!(新夏も)

