高橋|往来堂書店 "冷ややかな悪魔" 2025年3月13日

冷ややかな悪魔
いや、それはわたしには別に必要ないんですが。ただそれだけのことなのにどうしてこの社会は勝手に「心配」したがるのだろう。そんな問いに対する、思わぬ方向からのアプローチが鮮やかに炸裂していた! やっぱり石田夏穂は最高だよ。イデオロギーだけに落とし込んでしまうには惜しすぎる、設定と筋書きの妙。かっこよすぎるタイトルとその見事な回収に膝を打った。ねっとりしていなくて、むしろ清々しいほどに感じるのは、つねに諧謔とともにあるからだろう。苦しさに満ちた世界を書くためには、やっぱり諧謔が不可欠だ。うむ、ほんとに面白すぎるのでぜひみんなに読んでほしい。4月発売、1000円くらいで買えます。
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