
高橋|往来堂書店
@frog_goes_home
文芸・文庫・海外文学・食カルチャー棚担当です。本よりビールが優先されることがままある。
- 2025年10月7日
- 2025年10月7日
- 2025年10月5日巨匠とマルガリータ 上ブルガーコフ,水野忠夫読んでる新潮文庫の新訳に臨むまえに、あらためて頭から再読。相変わらず超面白い。こういうテイストの小説を好んで読むようになったのはこの作品のせいなんだろうな。
- 2025年10月1日世界のほうがおもしろすぎた松岡正剛読み終わった「松岡正剛、松岡正剛を語る」──昨年八月に鬼籍に入った松岡正剛。その生涯と思考の真髄を解きほぐしたインタビューであり、生前実現されなかった自伝の代替的一冊でもある本書。ひとつの肩書きでは捉えきれない/捉えさせない氏がずっとおもしろがってきた世界とは、はたしてなんだったのか。遅ればせ、アルス・コンビナトリア、アナロジー、略図的原型etc...独特な言葉を結んでいくと見えてくるのは、たしかな一点の蒐集ではなくある程度の幅を持たせた面の組み合わせで構築する世界観。氏について語るときの最低単位がこの一冊だと感じた。はやくおれの千夜千冊をはじめたい。
- 2025年9月26日
- 2025年9月23日
- 2025年9月23日
- 2025年9月23日
- 2025年9月23日
- 2025年9月23日
- 2025年9月8日ハウスメイドフリーダ・マクファデン,高橋知子読み終わった自分史上最速の500ページだった。面白すぎて栞を挟む暇がありませんでした。とにかく訳文が読みやすく、先が気になる読者のスピード感を損なわない。そして主要登場人物が少ないのでサクサク読んでも話を見失わない。肝心のストーリーは……できれば前情報なしで読んでほしい! 損はさせません。
- 2025年9月3日小説作法の奥義阿刀田高読み終わった幾多の小説作品に加えて『知っていますか』シリーズなどでも知られる作家・阿刀田高が小気味よく語る創作極意の数々。作家としての遍歴を年代順に追いながら、その小説観やアイデアの出し方・貯め方、人物名の書き分けなど惜しみなく語り尽くす本書はさながら『阿刀田高を知っていますか』だ!
- 2025年9月2日早朝始発の殺風景青崎有吾読み終わった今年はこれにしよう、と集英社文庫「ナツイチ」のフェアから選んだ一冊。いやあ、どうして今まで読んでいなかったのか! 美しいロジックで組み上げられた全五編、すべてに膝を打ちました。謎の奥に見えてくる甘酸っぱさとほろ苦さも格別。日常の謎系青春ミステリの新定番、未来のエバーグリーン!
- 2025年9月1日失われた貌櫻田智也読み終わったお見事! 読み終えてついそうこぼしてしまいました。散らばっていた要素が最後には余すことなく結びつく。え、それも回収してくれるの!?という嬉しさに満ちた作品です。骨太な警察小説であり、良質なミステリでもあり、奥深い人間ドラマでもある……こんなに贅沢な作品が他にあるでしょうか。
- 2025年8月24日
- 2025年8月22日あなたが政治について語る時平野啓一郎買った@ 往来堂書店「とき」が私的な領域を指している一方で「時」は社会の流れにおける一部分、という印象がなんとなくあって、だからこの場合は「時」の方が自然なのだろう、と無駄な深読みをするなど。開かれがちな漢字をあえて閉じてみる、なんて言い方をすると単なる気まぐれのように見えるけれど。
- 2025年8月21日酒亭DARKNESS恩田陸読み終わった旅情×酒場×怖い話……? 一見すると不可思議な取り合わせに見えますが、これが見事なマリアージュ! 煮込み料理の温かさと背筋の冷える怖気が同居した、愉楽と幻惑の短編小説集でした。これを持って酒場へ……と言いたいところですが、帰路の安全を保証できないので迂闊なおすすめはできません。
- 2025年8月20日
- 2025年8月18日星に帰れよ新胡桃読み終わった人間は巨大で複雑な多面体のようなもので、足元にぽつんと立つ他者の視点からはすべての面を詳らかに確認することができないし、とうぜん自分自身ですらも全面を把握することはかなわない。そういう事実があることに気づかず、あるいは気づいたとしても蓋をして、勝手に期待して勝手に失望する傲慢さよ。「おそらく、解釈されるのは一番の屈辱だった。(p.100)」複雑さをそのまま受け入れる下地は、おそらく人間には備わっていないのかもしれない。 これ書いたとき(文藝賞受賞時?)まだ高校二年生だってよ。膝から崩れ落ちたね。まもなく新作が発表されるとのことで、とても楽しみ。それまでに二作目も読んでおきたい。
- 2025年8月15日我が手の太陽石田夏穂読み終わった石田夏穂作品にしては珍しい、いわゆる一般的な会社員小説ではなくむしろ正反対(?)の職人小説だった。溶接まわりの専門用語が飛び交っていてなんのこっちゃ?と思いつつ読み進めていたが、いつのまにかのめり込んでいたよ。それどころか今の自分の境遇への悩みをザクザク切り開いていくような手捌きだった。肉体および能力が歳とともに枯れていくのは仕方ないにしても、これとどう向き合えるか、そしてどう対応するべきか……その極端を痛々しいまでに表現した傑作でした。アイデンティティの置き場所は自ら決めることができない、そのやるせなさたるや。
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