こよなく
@funyoi
2026年3月1日
性的であるとはどのようなことか
難波優輝
読み終わった
本書ではまず、性的であることを
①性行為に関わるもの②人間の裸体や性器に関わるもの③性的興奮を催させるもの
の三つに分類している。
そして、性的であることと、えっちであること(エロティック)を区別することで、議論の前提が整理され、とても分かりやすかった。
そのうえで、性的なものが公共空間に置かれることの何が問題なのかを、よく指摘される「態度」「行為」「影響」という三つのアプローチに分類する。
態度とは、作り手の倫理的に問題のある態度。行為とは、侮辱や脅迫といった問題ある行為を遂行しうること。影響とは、それに触れた人が問題のある考えを抱いたり、振る舞いが制限されたりすること。
特に「影響」について厚く記述され、学びが大きかった。
これまで私は、性的なものが公共の場に置かれるのは、不快な気持ちになる人が多いから、控えたほうがいいのだろう、程度にしか考えていなかった。しかし本書では、性的なものが生み出す「性的な雰囲気」が、特定のジェンダーの人の振る舞いの自由を制限し、社会的なジェンダー不平等を維持する可能性があると指摘する。
単なる快不快の問題だけでなく、抑圧や価値観の刷り込みの問題であり、自由や平等、尊厳の根本的な価値に関わる問題でもあると気づかされ、読んでよかった。


