
海老塩
@ebi_salt
2025年3月14日

きみは赤ちゃん
川上未映子
まだ読んでる
読書日記
私の母も、こんな風に不安になったり悲しくなったりしながら、十月十日も私をお腹の中で育ててくれたのだろうか。
どんどん身体は変わって行くのに、気持ちはついていかないなんて、すごく不安だろう。
そんな不安や、様々な身体の不調を乗り越えて私が産声をあげた時、母はどんな気持ちになったのだろう。
私の母は自他共に認める芯のある強い人だけれど、そんな母にもこんな十月十日があったのかと想像すると、それだけで私はまたどうしようもなく悲しくなり、行き場の無いこの気持ちを涙に変える事しかできない。
妊娠も、出産も、その全てが奇跡なのだ。
そんな事、分かっていると思っていたけれど、命が芽吹き、妊娠期間を過ごし、命をかけて出産するのだから、それを奇跡と形容して当たり前だろうと思っていたけれど、全然分かっていなかった。
私は分かった気になっていただけなのだった。



