
りら
@AnneLilas
2026年3月1日
羊と鋼の森
宮下奈都
読み終わった
聴き終わった
本の中の本
音楽小説
@ 公園
2016年本屋大賞受賞作。
ピアノとは無縁だった高校生が偶然の出会いから調律師を目指す。実際は秋野のようにピアニスト志望だった人が多いのだろうか。
子供の頃ピアノを習っていたし、実家にはアップライトピアノがあり、昔は定期的に調律してもらっていて調律師さんが調律状況を記録してくれていたのは覚えている。でも自分は音感もないし音楽理論も知らないから、初めて知る調律の技術的な話は興味深かった。
板鳥が憧れのレジェンドとすると、柳が面倒見のいい先輩その1、秋野が意地悪な先輩その2なわけだけれど、うじうじ悩む外村を見ていると秋野のスタンスが潔く感じられる。
最後まで外村に対して蒙昧なイメージが拭えず、もし自分が顧客だったとしたら、彼に調律してもらいたいかというとちょっと嫌だなと思ってしまった。
物質的なピアノと森のイメージが重ねられるのは舞台が北海道なだけにしっくりときた。
一度だけ地元のホールで特別にスタインウェイのピアノを発表会で弾かせてもらったのだけど、虹色の飴玉のような音だった。自分のそれまで知っていたピアノとは全く別物に思えた。
何十年も経った今、あの時のあのスタインウェイにも調律した人がいたのだろうと思い当たった。と同時に実家のピアノの状態が心配になった…。
板鳥が理想の音の話で引き合いに出したのは原民喜の随筆「沙漠の花」からの引用らしい。
オーディブル2.1倍速で。
