はるのななくさ "中動態の世界" 2026年3月1日

中動態の世界
中動態の世界
國分功一郎
●『自由意志』という思い込み 何か出来事が起こったとき、なるべく正しく、冷静に認識をしたい。 「自由」に次の選択がとれるように。 少なくとも、なにものか自分の外部の事象によって、自己の統制を失うことのないように。 哲学はそんなときにも私たちの助けになってくれる。 中動態という現在では失われた文法を手がかりに、普段私たちが思考するときに使用する言語では捉えられない概念を追っていく。 わたしも、あなたもあの人も。完全なる自由意志などなどなくて、人間は常に他の物事から影響を受ける存在である。 わたしも、あの人もそうなのだ。 このことを覚えておけば、もう必要以上に自分を責めたり他人を非難したり、そういった極端な態度をとる頻度はぐんと減るだろう。 わたし達は完全に自由でもないが、完全に強制された状態でもない。 それは希望と呼ぶにはやや頼りないけれど、今この現実を生きるわたし達にとって、息つくことのできる拠り所となってくれる。 【追記、メモ】 帰責性:能動態−受動態の対立の中で作動する概念。行為を誰かに帰属させる側(能動)と帰属させられる側(受動) 責任:中動態によって記述されるべき応答。「応答する」という自動詞で記述される。 行為とは無数の原因によってもたらされた結果であり、一人の個人に所有されるものではない ≒行為のコミュニズム 個人の概念と結びついた意志の概念 古代ギリシアに意志の概念はなかった
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