ごうき "海を覗く" 2024年6月19日

ごうき
@IAMGK
2024年6月19日
海を覗く
海を覗く
伊良刹那
読了。そもそも私は1冊の本を買うのに数ヶ月間吟味するという石橋を叩きすぎる性格なのだが(叩きすぎると、割れちゃうか)、この本はあろうことか通販で中身も見ずに買った。そしてそれだけの価値は、やはりあった。17歳がこの作品を完成させたという事実に恐怖さえ感じる。さて、肝心の内容であるが三島由紀夫を想起させる美しい文章とやらは、よく分からなかった。三島由紀夫を読んだことがないので似ているのかは分からないが、それがよく言われる美しい日本語なのかは同意しかねる。しかし、この作品を成り立たせる緻密かつ正確無比に構築された理論には目を見張るものがある。全ての理論と私の思想が一致しているわけではないが、大きく頷いた場面も少なくない。この一致していないというのはどちらかの理論が間違っているわけではなく、その問いへの向き合い方が違うだけなのだろう。丁度主人公とその親友の、美の押し問答のように。従ってこの作品の最も称賛すべき点はその文体ではなく(勿論文体もだが)、この作品を成り立たせる大小のありとあらゆる理論なのだろう。小さな理論にも、大きな意思を感じる。買ってよかったと心の底から思えるような作品で何回も読み直したいが、この作品に染まりたいとは思わないな。 けれどもいやはや、これが17歳は、末恐ろしい。 (過去、今は亡きTwitterの読書アカウントに投稿したもの 2026.3.2)
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