海を覗く
13件の記録
本読みねこ@neco-2026年2月7日読み終わった敬愛し、憧憬する者になりたいという気持ちは、自分にも当然ある。けれど、それを模倣にせずに己のものにするというのは並大抵なことでは、きっとない。 近くして同じ色ではないことはわかるけれど同人にはなり得ないのだからその系譜をどこまで貫き、以後どうやって昇華していくのか。 ざっくり雑に言ってしまえば美的考えの重厚な(反して幼稚にも見えてしまうところもある)男子高校生が自分の美的にばちこーんとあった同級生(男子)に恋をし、けれど打ち破れ修学旅行で入水自殺という話だけど(そこに至る心境の諸々はそれはそれはたくさんあるが)、それをこういうかたちで書ける10代ってやっぱりすごいよなあと。 デビュー作なので、2作目はどんな感じになるのかなという期待と、三島が今のところあまり得意ではない自分は自作が出たら読むか考え中。 「数学のノートは買わなかった」というところは何で?と思ったけど、でも読み終わったあと何か好きな箇所になった。
みちほ@full1moon5blue2025年8月31日読み終わった読んでいる自分自身が「海を覗いて」いるような、そんな感覚に浸った。散りばめられた美しい表現を砂浜に潜む綺麗な石や貝殻を拾い集めるようにして読み進め、次に海面に目を落とすと、言葉の波間に強い光を見つける。けれどそれは絶えず揺れ動き、掴めたと思ったら、次の瞬間にはほどけて見失ってしまう。寄せては返す認識と拒絶の応酬に、読みながら主人公が味わった絶望がわかった気がした。正直、全てを理解はしきれていないけれど、物語全体が海を彷彿とさせる透明感、底知れなさ、魅惑的な存在感を体現しているようで凄いと思った。
はぐらうり@hagurauri-books2024年10月8日読み終わった新潮新人賞。まだ17歳だと。 だいぶ観念的なところもある内容なので難解だし、文体も三島に寄せているのかなと思うが、映像にしたらモノトーン。半分も理解していないが、評論するわけではないのでこちらも観念的に捉えておけば良いと思って読んだ。 これをZ世代の文学としてくくるのは間違っている気がする。同世代に売りたいからこの装丁なのかな。年上を狙ったほうがと思ってしまうが。ここからどんな成長があるのか楽しみではある。- ごうき@IAMGK2024年6月19日読み終わった読了。そもそも私は1冊の本を買うのに数ヶ月間吟味するという石橋を叩きすぎる性格なのだが(叩きすぎると、割れちゃうか)、この本はあろうことか通販で中身も見ずに買った。そしてそれだけの価値は、やはりあった。17歳がこの作品を完成させたという事実に恐怖さえ感じる。さて、肝心の内容であるが三島由紀夫を想起させる美しい文章とやらは、よく分からなかった。三島由紀夫を読んだことがないので似ているのかは分からないが、それがよく言われる美しい日本語なのかは同意しかねる。しかし、この作品を成り立たせる緻密かつ正確無比に構築された理論には目を見張るものがある。全ての理論と私の思想が一致しているわけではないが、大きく頷いた場面も少なくない。この一致していないというのはどちらかの理論が間違っているわけではなく、その問いへの向き合い方が違うだけなのだろう。丁度主人公とその親友の、美の押し問答のように。従ってこの作品の最も称賛すべき点はその文体ではなく(勿論文体もだが)、この作品を成り立たせる大小のありとあらゆる理論なのだろう。小さな理論にも、大きな意思を感じる。買ってよかったと心の底から思えるような作品で何回も読み直したいが、この作品に染まりたいとは思わないな。 けれどもいやはや、これが17歳は、末恐ろしい。 (過去、今は亡きTwitterの読書アカウントに投稿したもの 2026.3.2)







