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2026年3月1日

アルジャーノンに花束を
ダニエル・キイス
読み終わった
原作の中編版の出版が1959年(のちに長編版が出る)。
日本語版の単行本が1989年、文庫版が1999年。
原作で70年、日本語版で40年近くも前の作品なのに、社会的であれ個人的であれ、現実の状況はどれほど好転した…?
家庭の争いがきついな…。
母ローズは、息子はきっとよくなる、他の子のようになれると信じて体罰を繰り返し、(おそらくヤブか詐欺の)医者へ大金を積んでしまう。
夫のマットはその金は仕事の再起のために使いたいと非協力的。
「この子が正常だとあんたは思いこもうとしている。まるで動物に芸を仕こむみたいにこの子を追いつめている。どうしてほうっておかないんだ?」
「他の子のようになってもらいたいからよ」
2人の意見は食い違い、言い争いが絶えずチャーリイは萎縮する。
生まれた妹ノーマが"正常"だとわかると、ローズはチャーリイがノーマに悪影響を与えない方向へと厳しさの舵を取る。
ノーマはいつも"おかしな"兄に遊びもめちゃくちゃにされ、テスト1等の約束の犬も"取られ"そうになり、チャーリイを毛嫌いするようになる。
手術後、再会した父は息子だとわからず、母は物忘れがひどくなり今のチャーリイと子どものころのチャーリイをまだらにしか認識できない。
かろうじて困窮する妹からは"頼れるお兄ちゃん"像を得るが、包丁を持って暴れる母から離れざるを得ない。
子どものときに与えられなかったもの、欲しかったものは、IQ185になっても得られなかった。
そして手術で得たずば抜けた知力は一年足らずで手からこぼれ落ちていく。
ウォレン養護学校に行かなければならない。
「この世かいにあるなんてしらなかったたくさんのこともおぼいたし、ほんのちょとのあいだだけれどそれが見れてよかたとおもているのです。」
あんまりな最後。
それでもチャーリイの中に、手術後のチャーリイが得た記憶が暖かさを与えていることは救い…か?
人生は続く…。

