糸太
@itota-tboyt5
2026年3月2日
歌よみに与ふる書
正岡子規,
永井祐
読み終わった
激しい。子規の批評が的を得ているのかは分からない。でも鋭いことだけは分かる。スパッと短い言葉で言い切られるだけに、その指摘には有無を言わせぬ説得力がある。
訳者の永井さんが断っているように、たしかに原文のニュアンスはもうすこし丁寧なのかもしれない。でも込められた熱量は、この訳でなければ伝わってこないだろう。
なによりも感じたのは「美」への執着だ。
俳句でも和歌でも、表現方法は何だって構わない。伝統におもねている暇なんてない。自らのうちに芽生えた感動だけに忠実であれ。そして、その感動を表現するテクニックは、確かにここにあるから。と、そのことだけをシンプルに言い続けられているように思えた。
「子規の言葉が直撃する歌は今でも、というか今こそたくさんある気がした」と、永井さんはいう。べつに歌人でない私にも、直撃するものはたくさんあった。「人間は別に進歩しない。そして子規はいつでもそこにいる」
時代を超えた出会いを可能にしてくれた、素晴らしい現代語訳に感謝したい。



