しゅなうざー "人間たちの話" 2026年3月2日

人間たちの話
人間たちの話
柞刈湯葉
牛球が面白かったので読み始めたけどやっぱ今回も全部面白い〜〜!すきだ〜〜! あとがきまでユーモアたっぷりで楽しい、焚書のくだりと、テセウスの船着き場まで〜のところが本当面白かった 以下激ネタバレ 「冬の時代」 悲しいことは全然ないのに、なんだか少し寂しい雰囲気がする話で不思議、冬の描写がずっとだからかな 本筋には関係ないけど…今度は兎を球にしてる…!玉兎🐰 "骨もなくて毛皮と内臓の殻を除けばほぼ全身が可食部 食用生物としてデザインされたという自分の説は、まあまあ説得力があるのではないかと思う" 牛球と同じ作家なんだなーと思った。地続きの世界観😆 "「昔、冬が来た頃に、みんな子供に木の名前をつけるようになったんだよ。また春が来て草花が生えて、木々が芽をつけるように、って願いをこめて」" ない世界で人間の祈りのこもった習慣を思いつけるのなんで〜〜〜〜 そのあとの「おじさんがガジュマルって名前なのは、沖縄にもうガジュマルの木が生えていない、って事なのかもしれないね…」の切ない感じもめっちゃすきだ〜〜〜 「たのしい超監視社会」 話の展開はそこまで好みではなかった! すきな表現 "再生紙の再生紙をさらに再生した、ゾンビのような紙" "肖像画においても父を上回ることは許されない。このため二代目の肖像画は初代の半分、三代目はそのまた半分となっている。等比級数の総和は有限であるため、たとえ千代続いても肖像画を飾るスペースは足りる。この方式が国家体制の永続性を体現していると言える。" "ひとは恐怖や苦痛と闘うことはできても、楽しさと闘うことはできない。楽しさは阿片だ。" 「人間たちの話」 一番好き、本当に良かった。 淡々としているけどあたたかくて、少し寂しい "「幸福な家庭はどれも同じようなものだが、不幸な家庭にはそれぞれべつの不幸がある」とトルストイは書いているが、彼の生まれた家庭はまさにそのような紋切り型の幸福のもとにあった。 "地球のすべての生物はおよそ38億年前に生まれた単一の細胞である〜 "「生きとし生けるものはみな兄弟だ」という博愛主義の言葉は、境平にとってはべつの意味に響いた。自分は地球にただひとつだけ存在する、生命という孤独な巨人の細胞にすぎないのだ、と。" "国籍や人種の多様性といったものはすべて、彼にとっては「孤独な巨人」の構成要素にすぎなかった" "「恐竜の体に含まれていたアミノ酸などの分子を調べることだよ。骨よりも分子のほうが、遺伝的な情報が残りやすいんだ」" "オヴィラプトル 〜「たとえばこれは、研究によって姿が大きく変わった恐竜だ」 〜「こいつは最初、卵の化石と一緒に見つかったんだ。ほかの恐竜の卵を盗んで食べていたんだろう、と推測した科学者が『卵泥棒』という意味の名前をつけた。でも、その後の研究で、どうやら卵泥棒は自分の卵を温めていたらしい、ということが分かった。」 〜「でも、名前は変わらないんですか」 「一度決めた学名を変えるのは、ちょっと難しい」" (冥王星について)"遠くない将来この九人兄弟の末っ子が姿を明かしてくれることを、図鑑の執筆者たちは認識していたに違いない" "冥王星は国際会議によって九番惑星の地位を奪われ、「準惑星」という耳慣れない肩書を与えられた" "境平は自分の名前について考えるたびに、ニュー・ホライズンズ号に関わった研究者たちの気持ちを想像せずにいられないのだった。 おそらく冥王星のかくさげがにまったひゅんなん、彼らは自分たちの心の中で、まだ見ぬ冥王星の姿が変わるのを感じたことだろう 〜 自分たちがあくまで人間社会の中にあって、人間たちの尺度を通じてしか物事を見ることができない" "いわば冥王星とは逆に、一度「生命体」の座から降ろされたものが、研究の進展によってふたたび返り咲くこととなった。" "境平が人生をかけて探している他者とは、すなわち、地球に生きる生命の兄弟なのだ。宇宙のどこかに他の生命体が存在することで、自分たちが生まれるべくして生まれたものだと、信じることができるのだ。" 「宇宙ラーメン重油味」 設定とキャラクターが愛らしくて面白かった!!この中だと人間たちの話の次に好み 「小惑星ヤタイ」惑星名まで可愛い。 「記念日」 "もし物語の冒頭に映像的なイメージが必要なら、マグリットの「記念日」という絵をググって見てほしい。面倒ならググらなくてもいい。" 冒頭から面白い… "人体の機能を維持するために、細胞は自死することができる。これを教科書で読んだ時、僕はとても驚いた。 〜細胞には積極的に死ぬ機能が備わっている、という事が、僕にとってはなんらかの救いであるように思えたのだ。死ぬことは、機能不全ではなく、機能である。僕は教科書に書かれたその一節を、古い倉庫で見つけた宝石のように大切に頭の中に入れて過ごした。" 孤独にも思えるけど、こういう死生観も良いなと思った 「No Reaction」 透明人間の話 明るく楽しそうに話しているのにその内容が透明人間ゆえに少し寂しい感じが、切ない "見たことのない人間に嫉妬するのは容易なことではない。なんてことだ。せっかく羨望の的として生まれてきたのに、透明すぎて的に視線が当たらないとは!" 虚しくなりそうだけど楽しく生きてるんだなと思って吹き出した "ぼくは透明人間であることを不幸だと思ったことはない。そもそも生まれ持った性質に対して幸不幸を云々するというのはナンセンスだとさえおもっている。" "透明人間とはすなわち、作用を受けても反作用を与えられない存在なのだ。君臨すれども統治せず、受容すれどもあいきょうせず。森羅万象にノーリアクション。それが透明人間です。Q.E.D." テンポがいい。面白い。 "「オッカム被害者の会」を結成したい。"
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