
なつれ
@naturence_183
2026年3月2日

目を瞑って歩いてみるととても怖い。これは私が世界を"見る"ときに視覚情報ばかり使用しているのが原因だろう。聴覚や体性感覚では心もとなく、常に心のなかで外界をイメージしながら歩みを進めるも、結局その恐怖に耐えきれず目を開けてしまう。では、全盲の方はどのように生活しているのだろうか?という疑問からこの本を取ってみた。
この本でのインタビュー曰く、慣れるまでは普通に怖いらしい。まあそれは予想通りなのだが、印象的だったのは目が見えないからこそ自分の思い描いていた行動を実行しやすいという話だ。直感的には逆なのだが、世の中には目から入ってくる情報が多すぎるため、すぐ自分が何をしたかったのかを忘れてしまう。現代ではリアルでもネットでも広告だらけで、注意があらゆるところに分散してしまう。これに対して文字通り盲目である場合、これらの誘惑を受けないので目的を直接達成できるそうだ。そう考えると現代はかなり視覚から人間をハックするように設計されてるなと少し怖くなった。
他に気になった記述は、目が見えると視点に縛られ世界を二次元(の連続)で捉えてしまうという話。目が見えないと主観ではダイレクトに3次元的な知覚しているそうだ。個人的な解釈では、目の運動に依存する視覚はサッケード運動により平面しか探索できないのに対して、全身運動に依存する体性感覚は3次元空間を探索できることに由来するのかなと思った。
あと生まれつき全盲でも、言葉の相対関係から色を認識できるという小話も面白かった。グラフから私にとっての主観的な色が定まるというのはクオリア構造学に通じるものがありそう。
