
ひかりとかげ
@hikakage
2026年3月3日
資本主義を半分捨てる
青木真兵
読み終わった
資本主義を題材にしながら資本主義そのものの批判ではなく、禅問答のように資本主義から与えられたフレームを外し「自分とは何か」という問いに戻すような本。
著者は奥様の仕事事情をきっかけに奈良県東吉野の山村に移住し私設図書館の運営や障がいある方の就労支援などを行っていて、奥様が社会から受けた評価の事や障がい者たちと関わる中で評価軸があまりにも「他者ニーズ」に寄りすぎているのが現代の資本主義であると本書で語っている。その事を思想家イヴァンイリイチの「離床」に当てはめ「経済が生活の文脈から離れ、市場の原理だけで自律している」と指摘する。
この本で特に驚いたのは「障がい」(本書であつかう障がいは特に知的なものであると推察)は個人の属性ではなく社会の関係の中で生じるラベルであり、ただ周りと比べて「自己ニーズ」つまり自然の力が強すぎるが故にコントロールが効きにくいのであるという視点だった。
人は「自己ニーズ」、つまり「生きているから生きている」状態と「他者ニーズ」つまり他人や社会の評価軸の二人の自分を内在していてその間を揺蕩う存在であるという形而上学的であり、まるで素粒子の揺らぎのような結論をつけている。
それはまるで人間という字になぜ"間"が入るか?という問いに似ている。






