タイトルと表紙から、ほのぼのした話なのかなと思っていたが実際は全然そんなことなかった。 主要な人物は3人で、主人公の二谷、同僚の押尾、恋人の芦川。読み終わってからみんなの感想をみていると、芦川が非常に嫌われていた。そうかあ。 私は全員の気持ちがなんだかよくわかるし押尾に一番近い人間なのだと思うけれど、読みながら作中の人物たちのように芦川の幸せを願っていたし、押尾の最後にはすこしスカッとしてしまった。いるよね、そういう守りたくなっちゃう人。私はそうじゃない。 芥川賞受賞作品ということもあり、驚くほど読みやすい文章だった。 最後の一文が、なんだかドキドキしてしまってずっと心に残っている。