
実業之日本社
@Jippi_books
出版社の中の人が、おすすめの作品や本棚の中身について呟くアカウントです。
- 2025年9月19日1ドルの価値/賢者の贈り物オー・ヘンリー,芹沢恵出版社のつぶやきわたしの本棚冒頭収録の「多忙な株式仲買人のロマンス」がいかにも自分の好きそうな紳士と淑女の駆け引きではありつつ、一体どういう経緯で読んだ本だったか…と思い返してみると当時としては希少(?)な「ミス・マーサのパン」の収録された文庫の短編集だったからでした。(朝ドラの挿話として登場した一篇) 訳文も美しく登場人物が皆チャーミングで、大筋は誰もが知っているあの「最後の一葉」や「賢者の贈り物」も細部の描写のきらきらしさが光るお話だったのだなぁ…と再発見できて好きな一冊です。 (恋愛話としてもミステリ?としても面白い「十月と六月」の巧さ…)
- 2025年9月11日グレート・ギャツビーフィツジェラルド出版社のつぶやきわたしの本棚まだ経験値が足りず翻訳ものが苦手だった中学時代に、唯一愛好していた思い出の洋書。 傍観者型の主人公が自ら叫んだ、「あいつらはくだらんやつですよ」「あんたには、あいつらをみんないっしょにしただけの値打ちがある」の意味を思うと、タイトルの邦訳はやはり『華麗なる〜』が好きだな…と個人的には感じていました。 夜毎邸宅に集っていた沢山の「友人」の誰ひとりとして来てはくれなかった彼の葬儀まで見届けた語り手(と作り手)が、最も取るに足らず最も空虚な最大の嘘=ギャツビーの華麗さこそを「Great」と評してくれるなら、それ以上の事はないですから… 「『さよなら』ぼくは大きな声でそう言った『朝ご飯、美味しかったよ、ギャツビー君』」……( ; ; ) (勿論ギャツビーの居た時間が何も生まないものであればあるほど文学的には正しいとは思いますが、それはそれとしてジョーダン・ベイカーとニックの醸し出す空気感がとても好きでした……)
- 2025年8月29日ねこねこ日本史(11)そにしけんじ読み終わった出版社のつぶやき2頭身を通り越してもはや球体のもふもふフォルムが可愛すぎるのに、瞳は深淵で超ポーカーフェイス。烏帽子以外のものには興味がないのに、唯一話せる日本語は「にいちゃん…」…という、絶妙なバランス感覚で生きている義経(表紙の子)のキャラクター性が癖になる巻。 猫たちの可愛さに気を取られがちだが、よく見ると全編笑いの本質がシュールすぎてかなり好き。
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