検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?

55件の記録
- ハム@unia2025年8月22日読み終わった短いながらも歴史との向き合い方の本質が詰まってる。 ナチスをテーマに事実、解釈、意見という三つの層のバランスを考えることの重要性がよく理解できる。 事実から解釈をすっ飛ばして意見。 恣意的な切り取りをもとにさも正しいことのように声高に叫ぶ。 SNSがあるために余計にラウドスピーカーが幅を利かせやすい現状を冷静に捉えるうえでも本書はかなり有意義だと思う。 人は誰しもバイアスがあり、無色透明な歴史認識などできないというスタンスを受け入れ、だからこそ積み上がっていく解釈を無視することなく取り入れる姿勢が問われると。 この本自体が主観的な切り取りでナチス全否定に極振りしているみたいな意見もありそうだけど、強い言説という商業的なものもあるにしても、あえてわかりやすい構図を見せる意図があるからだと思うし、ナチスの評価をめぐる議論に答えを出すうんぬんでなく、歴史学とは、専門家の意義とは、現代の情報環境とはなどを考えるうえで価値があると思った。
- 絹@indigo_mtm2025年8月8日読んでる読み終わった図書館で借りて読んでいる 読み途中だけど、第二章「ヒトラーはいかにして権力を握ったのか」、1920年代から1932年にかけていかにナチが国民の支持を得るかについての流れと手法が記録されている 今日本でも某極右政党が支持を得始め、党首が支持者のコントロールのため排外主義的な主張を抑制している点とか、ヒトラーが全く同じことをしていたらしく、ナチの流れをほぼ沿ってるんだなとわかって寒気がした 以下ちょっとずつ読んでる感想 ネタバレを含みます 25.8.7 ナチスの経済政策について 成功した部分もある、というのは事実だが、大半は前政権の方針を引き継いだ結果だった それに、経済政策が功を奏したのは外国人の戦争捕虜やユダヤ人の労働力や財産を搾取したからという点を否めない 一部の人の、文字通り命を賭した犠牲なくして成し得ない経済的成功は、健全なものとは言えない 家庭支援政策について 成果を生み出した部分もあるが、そもそもその目的は馬車馬を働かせ続けるために適度な餌と休憩を与えるに等しいもので、さらに恩恵を受けるのは健康なアーリア人に限定していたという点で、全体を肯定はできないなという結論 8.8 読み終わった! 結局のところ、ナチスは良いことをしたと捉えるのは一面的なものに過ぎず、それが包摂と排除を常に孕んでいたという点で、肯定はできないということに帰結した 読んでいても、アーリア系ドイツ人に優遇政策を施した一方で、そうでない人たちに行ったギョッとするような残虐な政策の描写もたくさん出てきた 後書きを背筋が伸びる思いで読んだけど、今極右勢力が世界的にも台頭してきている中で、筆者の言う「反ポリコレ」の欲求にのまれてしまった人たち、についても、真面目に考えて対話しなければならない段階にあるんだろうなと感じる 簡単なことではないけれど…
- 爽@sota_a2025年8月6日読み終わった読み終わった。 さまざまなデータをもとに解説してくれる良書です。そういえば学生時代(1000000年前)、まさにアウトバーンとかの話でナチスは良いこともしたんだって言う子がいたなあと思い出し……。 ざっくりとでも歴史はわかってる人向け、なんとなくの時系列とか戦いの順番がわかってるとよりイメージしやすいと思います。 第四章あたりの数字が続くところは数字弱人にはちょっとつらく、もし同じデータを出されて分析してくださいと言われても本に書かれているような結論に辿り着けるかな……ちょっと自信がない。 「おわりに」は耳が痛いよ〜いつまで謙虚に本を読んで学んでいられるのかな……。 巻末のブックガイドにコメント付きで書籍が紹介されてるので次の本を選ぶのにおすすめ。 1番ビビったのは車の積立金だけむしり取ったこと。
- 🪁@empowered_tako2025年7月12日買った読んでる本屋で「戦争」をテーマにした特集棚があってそこに差さっていたので買い、冒頭だけまず読んだ。それが本業ではないはずの研究者が「素朴な疑問」にしっかり応答してくれるありがたさ……。
- ひつじ@mgmgsheep2025年7月12日読み終わった元々義務教育程度の知識しかなかったので、具体的な政策やその結果について知れたのは単純に勉強になった。 歴史分野に疎い身としては、本書の冒頭で解説される〈事実〉〈解釈〉〈意見〉という三層の考え方は、「なるほど」の一言だった。 まだまだ身になっているとは言い難いが、これまでなんとなく違和感を感じていたものの上手く言語化できなかった、どう整理していいか分からなかったものについても、今後調べたり考えたりするヒントになると思う。 改めて、初学者向けにこのような本を出してくださったことに感謝したい。
- 句読点@books_qutoten2025年7月3日読み終わった最近の参政党の動きが不気味すぎて読んだ。 「参政党は「良いこと」も言っているのか?」を考えるために。 薄々わかってたけど、驚くほどナチスとの共通点があって、ますます危機感を持った。(伝統的家族観、健康政策、民族共同体の創出、女性蔑視、外国人差別、排外主義、などなど) ナチスに限らず、「大日本帝国は「良いこと」もしたのか?」など、いろいろ応用の効く考え方をしることができる。一面的に切り取って、「良いこと」のように見えることも、全体の目的や結果、その後の歴史学の評価なども知らなければ、本当に「良い」ことかどうかは安易に判断できないし、ほとんどの場合、「良くなかった」と判断できると思う。
- ゆきまち@wait4snow2025年4月18日読み終わったおわりに “しっかりとした知識をもつ第三者の数を増やしていけば、それは歴史修正主義的な風潮に対する社会の免疫を強化することにつながるだろう…「歴史知識」を伝えるだけではなく、社会の「歴史意識」にまで踏み込んで語りかける必要があるのだろう。その際に専門家がどのような語り口をとるべきなのか、筆者にも明確な答えがあるわけではない。だが本書は、ナチスをめぐる事実関係や研究史の積み重ねだけでなく、それを受け止める「現在」という磁場を十分に意識して執筆したつもりである” 各章でテーマごとに①ナチスがどんなことをしたか②それはオリジナルなのか③効果はどうだったのか、具体的に書かれていてわかりやすい。 分厚い本でもないし、入門書、ネットなどの危うい言説にひっかからない知識として本棚にあるとよさそう。 巻末にブックガイドもある。以前買って積読してる本が入ってたので読まなきゃな〜
- ゆきまち@wait4snow2025年3月28日読んでる第2章 ヒトラーはいかにして権力を握ったのか? “ナチ・プロパガンダに「絶大な威力」があったとすれば、それは「魔力」だの「洗脳」だのと呼ばれるものにではなく、広範な国民のもとめるものを的確につかみ、感情を揺さぶる言葉やイメージに転換していく能力に見出すべきであり、そこにこそ真の危険性があると言わなくてはならないだろう。” 今も使われてる手法だよなあ……
- y.@yotsu_hiyoko2025年3月27日読み終わったReadsで知った人は結局信じたいことを信じるけど、 何を信じるにしても 最低限「歴史を知る」努力は不可欠。 個人的には「ナチスは良いこともした」とは カケラも思っちゃいない。
- 𝘽𝙀𝙇𝙇𝙀@00belle_2025年3月7日かつて読んだaudible厳密にはAudibleで聞いた本 一見良いことをしてるように見えても、より大きな悪事のためにやってるに過ぎないということを丁寧に説明してくれる
- ( ˘ω˘ )@nnn2024年8月31日つ、疲れた…ゼミ思い出した。 「良いこと」はしてないけど、「良さそうに見えること」を見つけてきて言葉巧みに宣伝し、自分たちの成果としてしまうその手腕がとにかく優れていたということなのでしょう。