
菜っぱ
@nanas
- 2025年10月31日
レモン・ドロップス石井睦美読み終わったすきだと思ってたひとに会うまでの道中で読んでいた、という影響もあるかもしれないが、終盤の手前あたりからにこにこしながら読んでいた。 彼氏のいる美希ちゃんの友だち(綾音)が、「瑛太じゃなくって、細川くんが細川くんに見えるようになった」と言ったことを受けて、美希ちゃんは、認知症で変わりゆくおばあちゃんを受け止めようと葛藤する。 そのひとをそのひととして見つめるって、愛情深いこと。自分はそのようにまなざせているんだろうか。 あともうひとつ。細川くんからかわいく見られたい綾音ちゃんが、純粋に自分のすきなものだけを買うことにする、と言うシーン。美希ちゃんは「純粋にじぶんのためだけのレモン・ドロップを買う」と行動決定している。 だれかの視線を意識して、見られたいように計画して振る舞い演出するのは、どこかの場面では役に立つこともあると思う。けれど、他者の視線に支配されすぎるのはすこやかじゃない。とくに私的な人間関係においては、自信をもって自分で在り続けることのほうが大事だったりする。 この本は、自分を愛し他者を愛する過程を、等身大で綴った話だったのか、とふと思う。 - 2025年10月30日
最後の芸人の女房髙部雨市読み終わった落語仲間の友人からこの本の存在を教えてもらった。伯山先生もラジオで紹介していた、講談師初の人間国宝である貞水先生を支えた奥方のドキュメンタリー。 酒席太郎のカウンターで働くおかみさんは、若々しく穏やかで、常連のお客さんも気のいい人ばかり。イチローさんも想像通りのお人柄で、2回訪ねた友人のことをばっちり把握していらして、覚えの良さにびっくりした。 本の感想として: おかみさん、息子の丈太郎さん、イチローさん、常連のお客さん、それぞれの方に対するインタビュー時の応答が掲載されている。インタビュアーの地の文と、インタビュイーのことばとの間には温度や質感のギャップが大きく、目が白黒してしまい読みづらかった。それに加えて、構成や質問のせいか、おかみさんたちの素敵なお人柄が伝わりにくいように感じてしまったのが、残念なところ。実際に太郎で伺うほうが実りがあるように思うので、どんどこ通いたい。 本としてはおもしろくないが、この本が伝えようとしたであろうおかみさんのお人柄は、そう易々とことばにできないほど素敵だ。
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