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久禮亮太
久禮亮太
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@ryotakure
東急目黒線の不動前でフラヌール書店やってます📚
  • 2025年3月9日
    きんつぎ
    きんつぎ
    この絵本が描くのは言葉のない無音の世界だけれど、アンビバレントないくつもの感情をたしかに私たちの心の中に想起させてくれます。深い悲しみと回復を、劇的ではないけれど、淡いけれどたしかなグラデーションとして描き出してくれます。 うさぎはある日、一緒にお茶をしていた鳥に去られます。鳥を追ってどこまでもうさぎは行きます。深い海に潜り色彩のない者たちの世界に絡め取られそうになりながら、それでも追います。でも、鳥に再び会うことはありませんでした。旅を経て うさぎは鳥と暮らした日常の断片をつなぎ合わせて、新しい小さな幸せを育てることにしました。 こんなふうに、ある日突然大切にしているものを失う、カップが粉々に割れてしまうような経験を、私たち誰もがします。それでも私たちは喪失を受け入れて、新しい日常を取り戻す日がやがて来ます。 作者イッサ・ワタナベはあとがきでこう書きます。 「物事が二度と元通りにならないことを受け入れるのは、時間のかかる、時に大変辛いプロセスです。けれど私たちは、いずれすべては新しい均衡に達するのだと信じるほかありません。」 ひび割れた心の「傷を愛する」ことを彼女は陶器の金継ぎになぞらえ、この詩的な魅力のあるタイトルとなりました。 憂いを帯びた絵の世界のあと、巻末に添えられたエミリー・ディキンソンの詩がうたう「希望」が、鮮烈な印象を持って飛び込んできます。 黒を背景に細やかで色鮮やかに描かれた絵を、紙の手触りと合わせて、ぜひお手に取って感じてほしい本です。 ■フラヌール書店のウェブストアでも買えます📚 https://flaneur.base.ec/items/100983293
  • 2025年3月8日
    オーロラの下、北極で働く
    「……孤独を感じていた時期は、私が『日本人』というアイデンティティに拘っていた頃かもしれない。……今の私は国籍が解けてしまったように思える。」 国立極地研究所の元技術者が北極に暮らした日々を綴ったこのエッセイは、賑やかさと孤独感、自然の豊かさと厳しさが交錯する、他では読めない経験を私たちに垣間見せてくれます。著者自身が撮影した多くの美しいカラー写真が、北極圏の透徹した空気や悠久の時間を感じさせてくれます。 ノルウェーと北極点の中間、スバールバル諸島にニーオルスンの町はあります。世界各国の観測所が集まっていて、科学者や技術者、極限の自然にインスピレーションを求めるアーティストなど、多くの人が暮らし、独特のコミュニティを形成する場所です。 過酷な観測作業や、食事や余暇といった日常、各国駐在員たちとの出会いと交流と別れなど、およそ三年間の豊かな体験を綴った言葉は、事実の記録を大切にした抑制の効いたものに感じます。そのおかげか、読む私たちは想像力を刺激され、引き込まれる気がします。 極地に憧れ情熱を持った人々が世界中から集まり共に暮らすという幸福な経験と、それが終わった切なさを、私たちも感じることができます。 『オーロラの下、北極で働く』 文・写真 松下隼士/雷鳥社 刊 ■フラヌール書店のウェブストアでもご購入いただけます📚 https://flaneur.base.ec/items/100894998
  • 2025年3月8日
    0の裏側
    0の裏側
    今日お店に届いたばかり📚 いつも変わらない読点多め中沢新一文体が前書きから展開されて、ああこれこれとなる。 今日はお客様多めな土曜なので、レジではあまり読み進められなさそう。
  • 2025年3月7日
    石垣りんの手帳
    石垣りんの手帳
    石川台、荏原中延、五反田と、手帳から読み取れる石垣りんの立ち寄り先はフラヌール書店からも近い界隈。うちの常連のお客様たちにも馴染みの場所が多い。 今日は近所の中学校の国語の先生(常連のお客様)が、石垣さんの足跡を辿る池上線、目黒線沿線散歩ツアーをするつもりだと話してくださった。 ▼フラヌール書店のウェブストアでもご購入いただけます📚 https://flaneur.base.ec/items/98814984
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